(ブルームバーグ):アルゼンチンと米国は5日、双方からの輸入品に課す関税を一部撤廃する貿易・投資協定に合意し、署名した。歴史的に保護主義色が強いアルゼンチン経済を開放しようとするミレイ大統領にとって、大きな一歩となる。
アルゼンチン外務省は声明で、米国が1600品目を超えるアルゼンチン産品への上乗せ関税の撤廃に同意する一方、ミレイ政権も米製品に課す220品目超の関税を廃止する。
両政府の声明によれば、アルゼンチンのキルノ外相とグリア米通商代表部(USTR)代表がワシントンで協定に署名した。
今回の合意は、ミレイ大統領にとって勝利を意味する。昨年のアルゼンチン議会中間選挙を前に、通貨ペソの安定化を支えた米国による金融支援に続く成果となる。
自由至上主義を志向するミレイ氏は、疲弊したアルゼンチン経済の立て直しの一環として、貿易障壁を取り払いつつ、対米関係の強化を進めてきた。
アルゼンチンと米国は昨年11月、枠組み合意に達した。アルゼンチンが複数の譲歩を行う一方、米国は医薬品や「国内で調達できない天然資源」への一部の上乗せ関税を撤廃することを約束した。
アルゼンチン外務省の声明によると、今回の協定によって、牛肉の対米輸出枠は現在の2万トンから10万トンに拡大し、優遇アクセスを得る。増枠分は8億ドル(約1250億円)の上積みに相当するとの試算がある。
こうした点は、アルゼンチン産牛肉との競争から米国の牧畜業者を昨年守ろうとした一部の共和党議員とトランプ氏のあつれきが再燃する恐れもある。
アルゼンチンはまた、米国産の牛肉や自動車、農産品の輸入を拡大する。米国の機械や医療部品、化学製品に対する関税を撤廃し、一部の自動車部品については関税を2%まで引き下げる。
アルゼンチン政府の発表によれば、今回の協定は知的財産権やデジタル貿易など幅広い分野に及んでいる。
アルゼンチンは貿易障壁を巡り、世界でも悪い評価を受けることが多い。世界銀行のデータによると、近年の平均関税率は13%と、米国の3.5%を大きく上回る。1990年代の経済開放に向けた試みは国内製造業に打撃となり、多くの有権者にとって自由貿易は雇用喪失と同義になった。
原題:Argentina Signs US Trade Deal That Cuts Hundreds of Tariffs(抜粋)
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