ビットコイン価格の下落には明確な要因がある。本来、最も安定した買い手となるはずだった新たな投資家層が、買いを控えているのだ。

こうした動きには理由がある。仮想通貨分析プラットフォーム、グラスノードのショーン・ローズ氏の最新データによると、ビットコイン現物投資型上場投資信託(ETF)を通じて市場に参入した投資家は、1ビットコイン当たり平均で約8万4100ドルを支払っていた。ビットコイン価格は足元で約7万9000ドルで取引されており、これら投資家は平均でおよそ8-9%の含み損を抱えている。

代表的な暗号資産であるビットコインは、2025年の高値から35%超下落し、週末の薄商いの中で一時7万7000ドルを下回った。アナリストは、資金流入の鈍化や流動性の低下、マクロ資産としての魅力の後退が重なったと指摘する。ビットコインは足元、ドル安や地政学リスクといった従来の押し上げ要因に反応せず、他の資産との連動性も弱まり、方向感を欠いている。

現物ビットコインETFは1月初めに資金流入が急増したものの、その勢いは失速した。このところは個人投資家と機関投資家の需要がともに冷え込み、複数のファンドで純流出が続いている。

ローズ氏は「投資家はより選別的になっており、マクロ環境や流動性、ビットコインが過去の高値を持続的に上回れるかどうかについて、より明確なシグナルを待ってから投資を拡大しようとしているようだ」と述べた。

 

昨年10月の相場急落と最近の下落局面の違いは、市場のトーンにある。現在、投資家にパニックは見られず、ただ買い手が不在となっている。2025年にビットコインを12万5000ドル超まで押し上げた上昇局面は、規制を巡る期待感や機関投資家の参入、強気な個人投資家層の存在に支えられていた。しかし、10月に巨額のレバレッジ取引が一斉に清算されて以降、同じ投資家層が様子見姿勢を強めている。

新たな材料が投資家の関心を再び喚起しない限り、センチメントは悪循環に陥るとアナリストは警告する。価格は軟化し、新規の買い手は様子見にとどまり、投資家の確信はさらに損なわれるという。

原題:Bitcoin ETF Buyers Sit on Losses as Crypto Conviction Fades(抜粋)

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