トランプ米政権が23日公表した国家防衛戦略(NDS)は、中国に対しては従来よりも柔軟な姿勢を示し「対立ではなく力による抑止」を呼びかけた一方で、西半球地域での移民や麻薬が突きつける脅威を重視した。

同日夕方に公表されたNDSは国防総省に対し「インド太平洋地域において有利な軍事バランスを維持する」よう指示。トランプ大統領の「米国第一主義」を2期目の国防政策としてどう反映させるかを示すものとなった。

25ページにわたる同文書は「中国を支配したり屈辱を与えたり、締め付けたりすることを目的とするものではない」と明記。「逆にわれわれの目的はそれよりもはるかに限定的で現実的だ。中国や他のいかなる国も、米国やその同盟国を支配できないようにすること、それだけだ。体制変更や存亡をかけた闘争を求めるものではない」とした。

一方で、これまで国内問題とみなされてきた麻薬や移民などにトランプ氏が焦点を当てた方針に沿い、これらの問題を外国の敵対勢力よりもはるかに大きな脅威として位置づけた。

この方針は、昨年12月4日に発表された国家安全保障戦略とも一致するもので、米国本土の防衛、国境の安全確保、国内での技術開発、必要に応じて大規模製造能力の再強化を優先課題としている。

国防戦略の文書は「数十年にわたり、米国の外交・安全保障政策の主流派が本土防衛を軽視してきた。その結果は見ての通りであり、違法移民の大量流入に国が圧倒されている」と指摘した。

今回の戦略文書では、ロシアの侵攻に対する地域の防衛やウクライナ戦争への対応について、欧州の同盟国やパートナーにより多くの負担を求めた。

北朝鮮については、「韓国と日本に対し直接的な軍事的脅威を突き付けている」とした上で、その核開発が米国を危険にさらす恐れもあると警告した。

原題:US Defense Strategy Downplays Threat of Confrontation With China(抜粋)

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