2025年の日本の輸出は、米国向けが5年ぶりにマイナスに転じた。米関税措置の影響で下押し圧力がかかる中、自動車や半導体関連が減少した。全体の輸出は5年連続で増加した。財務省が22日発表した。

昨年の対米輸出は前年比4.1%減。自動車は金額ベースで11.4%減と、新型コロナ感染拡大などの影響で世界貿易が縮小した20年以来、5年ぶりに前年を下回った。半導体等製造装置は30.2%減少した。

米関税措置を巡っては、日米両国が昨年7月に自動車と同部品に課せられていた25%の追加関税を見直し、既存税率と含めて15%とすることなどで合意。輸入品に一律に課す関税の引き下げと合わせて9月16日に発効した。ただ、年間を通じてみると米関税政策が日本の輸出に与えた影響が浮き彫りとなった。

SOMPOインスティチュート・プラスの小池理人上級研究員はリポートで、米関税の影響で輸出には直接・間接的な圧力がかかり、減少傾向が続くと予想。中長期では関税回避へ米国での現地生産が進み、輸出が徐々に減る可能性があるとみる。日中関係悪化で中国が輸入規制を強化すれば、対中輸出が大きく減る恐れもあるとした。

港で積み込みを待つ輸出用の車両

対米輸出の減少について財務省は、内外の経済状況や物流コスト、需給バランスなどのさまざまな要因があると指摘。ただ、昨年夏ごろには関税措置に伴う駆け込み需要や反動が見られたとの分析もあり、関税の影響は一定程度あったと言えるのではないかと説明した。

25年全体の輸出は3.1%増。半導体等電子部品や食料品が増加した。米国以外では、欧州連合(EU)向けが1.3%増と2年ぶりに増加した一方、中国向けは0.4%減と2年ぶりに減少した。

輸出から輸入(0.3%増)を差し引いた貿易収支は2兆6507億円で、5年連続の赤字だった。

12月の輸出は増加

昨年12月の輸出は5.1%増と4カ月連続の増加。市場予測は6.1%増だった。半導体等電子部品や非鉄金属が伸びた。

地域別では、対米が11.1%減と2カ月ぶりのマイナス。自動車や同部品、半導体等製造装置が減少した。一方、対中は原料品や半導体等電子部品などが伸び、5.6%増と2カ月ぶりのプラスとなった。対EUは5カ月連続のプラスだった。

台湾有事を巡る高市早苗首相の発言以降、日中間の緊張が高まっている。中国は今年1月、対日輸出で軍事転用の可能性がある品目の管理を強化。日本からの主要な半導体製造材料に対する反ダンピング(不当廉売)調査を開始した。日本にとって最大の貿易相手国との関係悪化の影響が今後どのように出てくるかは重要な焦点となる。

12月の輸出から輸入(5.3%増)を差し引いた貿易収支は1057億円の黒字と、2カ月連続の黒字だった。

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