(ブルームバーグ):トランプ政権がクック連邦準備制度理事会(FRB)理事の解任を認めるよう訴えている訴訟で、米連邦最高裁の判事らは、政権側が住宅ローン契約に関する詐欺疑惑を理由に解任を目指していることに警戒感を示した。こうした措置は連邦準備制度の独立性を揺るがし、市場を動揺させかねないと指摘した。
21日に行われた審理で、保守派、リベラル派を問わず判事らは、訴訟が進行する間はトランプ氏によるクック氏の解任を認めるべきだとしたと主張する司法省のサウアー訟務長官に対し、厳しい質問を投げかけた。
トランプ氏が任命した判事からも懐疑的な見解が示された。カバノー判事はトランプ氏の主張について、「連邦準備制度の独立性を弱体化させ、破壊とまでは言わないが損なう」と述べた。バレット判事は金融市場へのリスクが「われわれとして慎重になる」理由となるのではないかと問いかけた一方で、クック理事の立場を全面的に受け入れる用意はないとの考えも示唆した。
この訴訟は、連邦準備制度の独立性に対する最高裁の姿勢を試すものだ。最高裁はこれまで、トランプ氏が支配を強めようとする動きから連邦準備制度を一定程度、守ってきたが、クック氏の訴えは新たな法的論点を突きつけている。
米国および世界経済にとって重要性は極めて大きい。超党派の元財務長官やFRB議長経験者、他の専門家らが提出した意見書は、トランプ氏に有利な判断が出れば連邦準備制度に対する国民の信頼を損ない、金融政策を効果的に運営する能力が危うくなると警告した。最高裁は7月までに判断を示す見通しだ。
今回の審理は、パウエルFRB議長を巡る司法省の刑事捜査と時期が重なった。この捜査は超党派の反発を招いている。21日の審理には、パウエル氏のほか、クック氏やバーナンキ元FRB議長も出席した。
約2時間弱に及んだ審理で、判事らは今回の訴訟が提起する重大な憲法問題を断定的に解決することに消極的な姿勢を示した。
クック氏は審理後に発表した声明で、「連邦準備制度が証拠と独立した判断に基づいて政策金利を決めるのか、それとも政治的圧力に屈するのかが問われている」と強調した。
原題:Supreme Court Appears Wary of Trump Bid to Fire Fed’s Cook (2)(抜粋)
(クック氏の声明や背景などを追加して更新します)
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