(ブルームバーグ):東京電力ホールディングス(HD)は21日、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所6号機の運転を午後7時以降に再開すると発表した。2011年3月に発生した福島第一原発事故からの復興を目指す同社にとって、大きな節目となる。
小早川智明社長は、6号機を20日に再稼働する予定だと明らかにしていたが、直前の17日に核分裂を抑える制御棒を引き抜く試験中に、警報が鳴らない不具合が発生。再稼働時期を延期したと報じられていた。発表を受けて東京電力HD株は午後の取引で一時6.4%高の729.3円を付けた。
具体的には6号機の制御棒が取り外されて核分裂反応が始まる。記者向けの事前説明によると、原子炉の他の重要なパーツであるポンプやタービン、発電機などを確認し、全てに問題ないことが確認されれば、2月末にも営業運転に移る予定だ。
地元で「KK」と呼ばれる同原発の再稼働は、福島第一原発の事故以降、原子力発電から距離を取ってきた日本にとっての転換点でもある。また、事故を起こした東京電力HDにとっては、再出発を印象付ける意義深い局面だ。
人工知能(AI)の利用拡大やデータセンターの急増によって電力需要が高まる中、世界各国の政府や企業は、発電時に二酸化炭素を排出しない安定した電源の確保を急いでいる。米国では、マイクロソフト やアマゾン・ドット・コムといったIT大手が、電力消費の大きいデータセンター向けに、原子力発電事業者との契約を結び始めている。
日本政府は福島第一原発事故を受けて全国にある54基の原子炉を全て停止。その後、再稼働には規制委による厳格な審査が義務付けられ、審査には数年、場合によっては10年以上要することもある。立地自治体の同意も不可欠であり、これも大きなハードルとなっている。
東京電力HDの商業運転可能な唯一の原発である柏崎刈羽原発は、6号機と7号機が17年に再稼働の認可を受けたが、21年に核物質防護上の深刻な問題が相次いで発覚し、規制委から核燃料移動を禁じる命令を受け、事実上、運転が禁止されていた。
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