21日の東京株式市場では銀行や保険、証券といった金融株が軒並み下落している。前日の金利急騰を受けて債券の含み損拡大や中長期的な企業の資金需要減退への警戒が強まった。

東証株価指数(TOPIX)業種別指数の銀行は一時3.2%安、保険は同2.9%安とそれぞれ約2カ月ぶり、約3カ月ぶりの日中下落率。証券・商品先物取引も一時3.6下落し、金融3業種がTOPIX33業種の下落率上位に並ぶ。個別では三菱UFJフィナンシャル・グループが一時3.4%安、野村ホールディングスが同4.5%安、第一生命ホールディングスが同4%安となった。

松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、前日の長期・超長期金利の急騰とさらなる金利先高観が金融株の重しになっていると指摘する。きょうの金利は小康状態だが、「昨日でピークアウトしたと思っている市場関係者はいないだろう」と話す。ベッセント米財務長官が日本の国債市場に言及したことも懸念に拍車をかけたと言う。

金利上昇は通常は金融株の追い風だが、背景に財政懸念があったりスピードが急だったりするとネガティブな面も意識されやすい。窪田氏は短期では銀行や生命保険などが保有する「債券の含み損拡大で減損などのリスク」があり、「ここまで金利が変動するとリスクコントロールに失敗する金融機関が出てもおかしくないと市場は懸念している」と述べた。きょうも経営体力が相対的に弱い地銀株は下げが大きい。

中長期では長期金利の上昇で企業の資金調達コストが上がり、設備投資などの意欲が減退する可能性がある。メガバンクや証券株はこうした連想からも売られているようだ。

松井証の窪田氏は、与党が消費減税を撤回する公算が小さい上、インフレ率を踏まえると長期金利はさらに1%以上上がってもおかしくなく、金利の先高観は強いと指摘。「まだ金融株の押し目を買う雰囲気にはなりづらい」と言う。一方、アイザワ証券の河西幸弘シニアストラテジストは、金利上昇で金融機関の利ざやや収入が増えるため「株安は短期になり、市場の視点は収益拡大に戻って上昇を続ける」とみる。

--取材協力:我妻綾.

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