(ブルームバーグ):ウクライナのゼレンスキー大統領は、トランプ米大統領と28日にフロリダ州で会談する予定だと述べた。4年近く続く戦争の終結に向けた合意を目指す。ただしクレムリン発の最新コメントからは、最終的な合意が本当に近づいているかどうかは疑念も生じている。
ゼレンスキー氏は26日、ウクライナ東部のドンバス地域やザポリージャ原子力発電所の将来など、慎重を要する問題について話し合う意向だと記者団に述べた。
トランプ大統領は26日に公開された米政治専門メディア、ポリティコとのインタビューで、ゼレンスキー氏とイスラエルのネタニヤフ首相がそれぞれ米国を訪れ、自分と会談することを確認した。トランプ氏はまた、ウクライナ・ロシア間の和平合意はどのようなものでも、自分が拒否権を持っていると主張した。
「私が承認するまで、ゼレンスキー氏には何もない」とトランプ氏は述べ「どのような内容を提示してくるのか、見てみないと何とも言えない」と続けた。
ゼレンスキー氏はまた、米国との間で進められている枠組みの合意は「ほぼ整った」とも述べており、署名が行われるかどうかはトランプ氏との会談次第だとした。
ゼレンスキー氏は欧州の指導者たちにも、米国との会談にオンラインで参加してほしいとの意向を示した。枠組み合意より広範にわたる20項目の和平案の方は「90%できあがっている」が、策定に関わったロシアと欧州抜きでは署名できないと述べた。
同氏は26日にドイツのメルツ首相、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長、フィンランドのストゥブ大統領らと相次いで電話で協議した。米ニュースサイトのアクシオスが情報源を明示せずに伝えたところによれば、27日にトランプ氏とゼレンスキー、欧州首脳らによる電話会議が行われる可能性がある。
ロシアの反応
ロシア国営のタス通信によれば、リャブコフ外務次官はウクライナが立てた最新計画について、ここ数週間に米国と協議してきた主要ポイントと「根本的に異なる」と述べた。ウクライナと欧州の支援国が現実に戦争を終わらせる合意を「妨害する努力を倍増している」と、リャブコフ氏は非難しつつ、12月25日の交渉では一定の進展があったとも示唆した。
「12月25日は双方が和解に近づいた転換点となった。今こそ突破口が必要だ」とリャブコフ次官は話したという。
敵対行為の終結に向けた圧力が高まる中でも、ロシアはミサイルやドローン(無人機)を用いた定期的なウクライナ攻撃を継続している。最近ではオデーサが集中的に攻撃されている一方、ウクライナ軍はロシアの製油所やガスプラントを標的としている。
ウクライナのクレバ副首相によるソーシャルメディアの投稿によれば、オデーサの攻撃で1人が死亡し、民間人が複数負傷した。損傷は港湾インフラや倉庫、民間船舶2隻に及んだという。他にも、北東部のハルキウ、中部のチェルカーシ、南部のムィコラーイウも空襲を受けた。
原題:Zelenskiy, Trump Set to Meet as Russia Questions Peace Plan (1)(抜粋)
(ポリティコによるトランプ大統領インタビューや、ロシア外務次官の発言について追記します)
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