台湾の頼清徳総統に対する弾劾手続きを野党が開始した。弾劾が成立する公算は小さいが、与野党の対立が深まっている。

弾劾案をまとめた最大野党の国民党と第2野党の台湾民衆党は、弾劾の採決日を来年5月19日に設定。立法院(国会)の議席数は野党が多数を占めるが、弾劾手続きを進めるために必要な3分の2には届かない。

総統弾劾の動きは、中国との関係や税金の使途、司法など制度改革の必要性を巡り、民主進歩党(民進党)の頼政権と野党との緊張が高まる中で出てきた。

総統府の郭雅慧報道官は、「合法かつ合憲で、手続き上も適正」である限り、野党の動きを尊重すると述べた。

仮に弾劾案が立法院を通過したとしても、憲法裁判所が野党側に有利な判断を下す可能性は低い。現在の大法官は全員、民進党の蔡英文前総統によって任命されている。

1990年代の台湾民主化以後、弾劾された総統はいない。

原題:Taiwan Opposition Starts Long-Shot Bid to Impeach President Lai(抜粋)

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