2026年度の国債発行計画では前年度当初予算比で超長期債が全年限減額されて、10年債は据え置きとなった。債券市場参加者の要望を反映した形に収まり、長期や超長期債の需給が安定化への期待が強まる。

財務省が26日発表した。入札を通じて機関投資家に販売される国債発行額は168兆5000億円と同3兆8000億円減る。年限別では10年を超える超長期債は1回当たり発行がいずれも減額されて計17兆4000億円と7兆2000億円減。発行総額規模は09年以来の低水準になる。10年債は据え置きとなり、2年債と5年債は増額になった。

片山財務相(左)と高市首相

高市早苗政権による積極財政で国債発行圧力がかかる中で、超長期債など価格変動リスクの大きい国債の需給懸念に対する対応を優勢させて債券相場の落ち着きを狙った計画となった。超長期債の規模とともに焦点だった10年債の発行額は維持された。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストは、今回の発行計画について「超長期債の減額幅が市場の事前予想より大きくなり、10年債は増額との見方も一部であった」としており「債券相場にサポーティブになった」と述べた。

【年限別国債(市中消化)発行額・回数(カッコ内は25年度当初比)】

財務省は今回の発行計画に向けて11月、12月と国債市場特別参加者(プライマリーディーラー、PD)会合を開催、市場関係者の要望を聞いていた。参加者から需給が悪化している超長期債減額への要望が強く、中短期債は金融機関などからの需要が強く増額余地があるとの意見があった。

11月会合では10年債も増額可能との意見も出ていたが、日本銀行が利上げした後に長期金利が約27年ぶりに2.1%まで急上昇したことから増額を見送った形だ。

5月には超長期金利の急騰を受けて、6月に国債発行計画を見直して超長期債の減額を決めるという異例の対応をした。11月には大型の補正予算策定に伴い、再度国債発行計画を見直して2年債、5年債と割引短期国債の増発を決めていた。

財務省は26年度から市場環境の変化への柔軟性を高めることを目的に、6月ごろをめどとして進行年度中の発行計画について市場関係者に対し、「年央ヒアリング」を行い、定期点検の機会を拡大する。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「昨年も超長期債を減らしたが、年度途中で追加の減額が必要となった。今回は年度途中に発行計画を見直すと発表しているのでそれほど混乱することにはならないだろう」と述べた。

(第4段落に市場関係者コメントなどを追加して更新します)

--取材協力:日高正裕.

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