人気キャラクター「ラブブ」を手がける中国の玩具メーカー、泡泡瑪特国際集団(ポップマート・インターナショナル・グループ)の株価が急落している。ラブブの人気が急速に冷え込み、株価は最高値から約40%下落した。

米国でのブラックフライデー商戦が期待外れだったほか、中古市場での転売価格が下落。1990年代に米国で起きた「ビーニーベイビーズ」ブームの崩壊を想起させるとの声も出ている。ポップマートが中国で米ウォルト・ディズニーやハローキティを手がけるサンリオに匹敵する存在になるとの期待が揺らいでいる。

データ分析会社イピットデータによると、同社の北米事業の売上高成長率は12月6日までの四半期で424%に鈍化し、前四半期から約半減した。S&Pグローバルのデータでは、ポップマート株に対する弱気な売りポジションは11月以降に3倍に膨らみ、2023年8月以来の高水準に達した。

Photographer: Na Bian/Bloomberg

SPDBインターナショナルのアナリスト、リチャード・リン氏は「市場は短期的な業績に非常に注目している。年末に向けて非常に高い前年比成長率を維持できなければ、これほどベースが高いだけに、来年も成長を続けられるかどうかが最大の疑問だ」と述べた。

投資家の懐疑的な見方が強まり、ポップマート株は香港市場で今年最も不振な銘柄の一つとなった。22年の安値から3200%急騰したポップマート株の原動力となったラブブが、長期的に定着するキャラクターなのか、賞味期限が既に切れつつある流行にすぎないのかという懸念が中核にある。

中国の中古市場価格が軟化したことも懸念に拍車をかけた。12月上旬には年末商戦の不振が示され、株価は2日間で14%近く急落。時価総額は8月のピークから約240億ドル減少した。

フィナンシエール・ド・レシキエのケビン・ネット氏は「センチメントは明らかに悪化している。再び買い向かうのは時期尚早だ」と指摘。「9月下旬時点で既に割高ではなかったが、1株利益見通しには多くの疑問符が付いている」と述べた。

ポップマートの広報担当者は株価の動きやブラックフライデーの売上高についてコメントを控えた。その上で、現在米国に60店舗と100の自動販売機「ロボショップ」を展開しており、来年には店舗数を倍増させる見込みだと述べた。

原題:Pop Mart’s 40% Stock Rout Shows Growing Labubu Crash Worry (1)(抜粋)

--取材協力:Chongjing Li.

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