希望小売価格の値上げとは
出水キャスター:
値上げの発表があると「メーカー希望小売価格」という言葉をよく耳にすると思います。

経営評論家の坂口孝則さんによりますと「(希望小売価格とは)メーカーなどが自由に設定できる販売の参考価格」「品質に見合う価値=ブランド力を担保する役割がある」と言います。
ただ、様々な企業のホームページを見ると、掲載していない場合もあります。実は公表の義務はないということなんです。
希望小売価格が上がると、小売店や消費者にどのような影響があるのでしょうか。プロに聞いてみると…

スーパーアキダイ 秋葉弘道社長
「メーカー希望小売価格っていうのは、あくまでもメーカー希望であって、それで売らなくてはいけないわけではない。
(メーカー希望小売価格が)上がってるということは、要は原価が上がっているということ。もうイコールですね。同じことです。販売価格を上げなかったら赤字になってしまう。そういうレベルですよね」
出水キャスター:
希望小売価格が上がる前に小売店側は様々な工夫をしているようです。例えば日持ちがする調味料であれば、多めに仕入れてしばらくの間は価格を上げないようにするといった経営努力をしているというのです。

番組が「サトウのごはん 新潟県産コシヒカリ 3食パック(希望小売価格858円)」の店頭価格を調べたところ、▼コンビニ868円 ▼ドラッグストア764円 ▼スーパー786円 ▼千葉県内のスーパーでは536円で販売していました。

お店によってなぜ価格にばらつきがあるのか。経営評論家の坂口孝則さんは「バイイングパワー」だと言います。
つまり、大手小売店が「たくさん購入するから」と、メーカーと交渉し卸価格を下げた結果、安く販売できるというのです。
井上キャスター:
最近は「メーカー希望小売価格」なんて言葉を目にすることがなくなったような気がします。
メーカー側の主張よりも小売店側が強くなって、メーカー側が「この価格で」とお願いしても、小売店側が「いやうちはこの価格でいきます」と言われてしまったら、そうなってしまうのでしょうね。
ミッツ・マングローブさん:
そういった中で主婦の方たちも毎日 価格を比較しながらやりくりしているんですよね。
出水キャスター:
帝国データバンクによりますと、2025年に食料品などの値上げは2万品目を超えたということで、アキダイの秋葉社長は「『どうやって値上げしようか』『どのくらいの価格に設定したらいいか』など、値上げするのを忘れてしまうような状況で、たくさん混乱が生じた1年だった」ということです。
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<プロフィール>
ミッツ・マングローブさん
タレント・歌手
慶應義塾大学法学部卒業 イギリス留学の経験も
ドラァグクイーンとしてデビュー後はタレントや歌手など多彩な活動を行う