(ブルームバーグ):10月の米求人件数は前月比で増加し、5カ月ぶりの高水準となった。一方、採用ペースが鈍化したほか、レイオフ件数は拡大し、労働市場が引き続き減速している状況も示された。
政府閉鎖の影響で9、10月分の発表は遅れていたが、今回まとめて公表された。
求人件数は増加したものの、全体を押し上げたのは小売りや卸売り、ヘルスケアといった一部の業種に限られた。
一方、レイオフ件数は10月に185万件と、2023年1月以来の高水準。解雇は娯楽・ホスピタリティーや製造業で増加した。採用件数は前月比21万8000件減少し、515万件となった。
こうした状況は、一部セクターで労働需要が一段と抑制的になっていることと整合する。米国の通商政策を一因とするコスト上昇や根強い景気不透明感に、雇用主は対応を余儀なくされている。
米民間再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、米企業が発表する人員削減数も増えている。
労働市場に対する懸念が強まる中、市場では今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25ポイントの追加利下げが決まるとの見方が優勢だ。
求人件数の発表後、米国債利回りは上昇し、S&P500種株価指数はプラス圏を維持した。円は対ドルで下げを拡大し、156円90銭台を付けた。
自発的離職者の割合である離職率は、2020年5月以来の低水準となった。これは新たな職を見つけることに対し失業者の自信が低下していることを示唆する。
一部のエコノミストは、回答率の低さや大幅改定が生じることがあるといった理由から、米労働省雇用動態調査(JOLTS)データの信頼性に疑問を呈している。求人情報サイトのインディードが日次で公表する別の指数によると、求人数は10月に前月比で減少し、11月は持ち直した。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Job Openings Rise to Five-Month High, But Layoffs Also Up (1)(抜粋)
(詳細やチャートを追加して更新します)
--取材協力:Mark Niquette.
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