(ブルームバーグ):暗号資産(仮想通貨)ビットコインは26日の取引で上昇し、約1週間ぶりに一時9万ドルを回復した。リスク資産全般の上昇とボラティリティー低下が追い風となり、トレーダーが買いを入れやすい環境が整った。
上昇幅は大きくはないものの、ビットコインは再び上値を意識する展開となっている。米連邦準備制度理事会(FRB)が近く利下げに動くとの見方が強まる中、デジタル資産は株式相場と歩調を合わせている。ブラックロックの米ビットコイン上場投資信託(ETF)には新規資金が流入。感謝祭の祝日前で流動性は低いが、ボラティリティーが落ち着き、新たな強制売却の兆候も乏しいことから、強気筋は下落局面の最悪期が過ぎ去ったかどうかを試しているとみられる。
カイコの調査アナリスト、アダム・マッカーシー氏は「相場の動きが急だったのは、祝日前という市場環境が影響している。流動性が乏しい状況では相場を動かすのに必要な力はずっと小さくて済む」と述べた。
弱気センチメントの反転はデリバティブ市場全体にも表れている。コイングラスのデータによると、ビットコイン永久先物では、未決済建玉が過度に膨らむことなくロングポジションの需要が高まっている。そうした契約のファンディングレート(資金調達率)がプラスに戻ったことは、今週に入りマイナスに転じていた強気ポジションが再び優勢になっていることを示唆する。
コインベース傘下の暗号資産オプション取引所デリビットによると、過去1週間は8万ドルや8万5000ドル付近でのプットの需要が中心だったが、現在は行使価格10万ドルのコールに最も多くの未決済建玉が集まっている。
暗号資産投資会社GSRの店頭取引担当グローバルヘッド、スペンサー・ハラン氏は「永久先物の未決済建玉の減少やファンディングレートの低下が示すように、ここ数週間で投機的なロングポジションは大きく減少した。その結果、暗号資産市場は上昇しやすい状態にある」と述べた。
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原題:Bitcoin Tops $90,000 as Options Point Toward Shifting Sentiment(抜粋)
(市場関係者のコメントを追加し、更新します)
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