(ブルームバーグ):米国防総省はアリババグループと百度(バイドゥ)、比亜迪(BYD)について、中国軍に協力する企業のリストに追加するべきだとの結論を下した。
ファインバーグ国防副長官が10月7日付の書簡で、上下両院の軍事委員会の委員長に通知した。これら3社に加え、エオプトリンク・テクノロジー、華虹半導体(ファホン・セミコンダクター)、ロボセンス、薬明康徳(ウーシー・アップテック)、中際旭創(ジョンジー・イノライト)の5社についても国防総省の「1260Hリスト」に追加するのが妥当だとした。ブルームバーグ・ニュースが書簡の写しを確認した。
これら企業が1260Hリストに正式に追加されたかどうかは分かっていない。同リストは米国内で活動する中国軍関連企業を特定するもので、毎年公表される。法的拘束力はないものの、米国の投資家に対する重要な警告となる。
ファインバーグ氏は書簡で「入手可能な最新情報の精査結果に基づき、国防総省は8社を『中国軍関連企業』と認定し、法令に従い1260Hリストに追加すべきだと判断した」と説明した。
書簡は、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が貿易戦争の「休戦」で合意した10月30日の首脳会談より前に作成された。国防総省の報道官はコメントの要請に応じていない。

中国外務省は声明で、米国による国家安全保障の「過度な拡大解釈と様々な名目での差別的リスト作成、中国企業への不当な締め付けに一貫して反対してきた」とした上で、「米国に誤った行動の即時是正を求める。中国は国内企業の正当な権利を断固として守るため必要な措置を講じる」と表明した。
書簡で名指しされた中国企業の担当者はいずれもコメントの要請にすぐには応じなかった。
今年1月にテンセント・ホールディングス(騰訊)や寧徳時代新能源科技(CATL)を含む大手企業が同リストに追加された際は株価急落を招いた。AI分野でのグローバル競争を目指すアリババにとっても、リスト入りは重大な障害となり得る。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は今月、アリババが米国を標的とする中国人民解放軍の作戦に技術支援を行っていると、ホワイトハウスの文書を基に報じた。アリババはこの報道について「完全に虚偽」だとし、「トランプ大統領の最近の対中通商合意を損なう」目的の「悪意あるPR工作」だと反論した。
ホーガン・ラベルズ法律事務所の分析によると、1260Hリスト入りした場合、米国防総省との契約の制限のほか、他の規制リスト入りの可能性や風評被害、コンプライアンス費用増などの影響が見込まれるという。
原題:Pentagon Cited Alibaba on China Military Aid in Oct. 7 Letter(抜粋)
(中国外務省の声明や背景などを追加して更新します)
--取材協力:Jessica Sui、Luz Ding、Zheping Huang、Philip Glamann、Josh Xiao、Mackenzie Hawkins.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.