外国ルーツの児童6割 “多国籍小学校”の教え
藤森祥平キャスター:
子どもたちの支えあう姿は優しさにあふれていて、あたたかい気持ちになりますね。
小川キャスター:
こうした環境で育った子どもたちが支える将来の日本は、また違った景色が広がるのではないかと感じました。国と国との間が揺らぎがちな空気の中で、こうした日常が静かに営まれていることに胸を打たれました。
VTRでは紹介できませんでしたが、このような授業も行われています。

先生が床にレジャーシートを敷いて、遠足の説明をしています。レジャーシートの敷き方、どのようなリュックや水筒を持ってくるのか、一からすべて説明しています。
考えてみれば、遠足についての説明は、一から受けたことは私たちにはないですよね。文化の中で自然に身に付いてきたもので、日本特有の遠足のあり方だったりもするわけです。

それを知らない子どもたちは、いきなり「遠足に行きます」と言われると、「みんなに振る舞わなきゃいけない」と思って、3人分のお弁当とかを持ってきちゃったりすることもあるようです。だから、そうしたことを一からとても丁寧に教えていました。
藤森キャスター:
相手との文化の違いで、なかなか理解できないことやトラブルだってあるでしょう。
小川キャスター:
例えば、手が出てしまうような喧嘩が起きてしまったときに、文化の違いによってその受け止め方も様々です。どれだけ傷つくか、どれだけ受け止めるのかが様々だったりもするようで、そのトラブルシューティングが先生たちも一番頭を悩ませているところだそうです。
しかし、それも子どもたちが能動的にでも自然に解決していく、みんなで「こうしたルールがあるんだよ」とか「日本ではこうだよ」と教え合う姿があるみたいです。
藤森キャスター:
言葉を教えるよりも、まず安全・安心な居場所を作ることは、まさに外国人と共生する大事なものが詰まっていますね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
よくよく考えてみると、日本は欧米に比べるとまだ外国人の比率はものすごく低いですよね。それでも2025年夏の参議院選挙などではまず外国人政策が議論されたりしていますが、現実を見ると、介護や農業、建築現場では、もう外国人なしでやっていけないのが実情です。
もちろん日本の法律を守ってもらうのは当然ですが、やはり外国人とどういうふうに共生していくかを、そろそろじっくりと考えていくタイミングになってきていると思います。
小川キャスター:
南吉田小学校の金子校長は「外国人がたくさんいるということは、豊かな社会を作っていくための資源であるという理念で教育をしている」とおっしゃっていたこの言葉は、改めて胸に刻みたいなと感じます。
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<プロフィール>
星 浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年