(ブルームバーグ):高級ブランドを展開するスイスのリシュモンが14日発表した4-9月期(上半期)決算は、売上高が前年同期比10%増と予想を上回った。傘下の「カルティエ」や「ヴァンクリーフ&アーペル」の高価なジュエリーが、世界各地で好調だった。
発表によると、リシュモン最大部門のジュエリー部門は、売上高が為替一定ベースで14%増加した。アナリスト予想は10.3%増加だった。
ジェフリーズのアナリスト、ジェームズ・グジニック氏はリポートで「ジュエリー部門はリシュモンにとって引き続き、強い成長の原動力だ」と指摘し、今回の業績は、同社が「高級品業界で最も成長が速い企業」であると裏付けるものだと語った。

高価な指輪やブレスレットの需要を支えに、リシュモンは競合他社より高級品不況を乗り切っている。宝飾品は、経済不安が強い時期には、高級衣料品や皮革製品より価値の保存手段として好まれる傾向がある。

このところの高級ブランド企業の決算では、特に中国における広範な不振が収まりつつあるとの期待がみられた。ルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオールなどのブランドを擁するLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンは7-9月期に成長軌道に戻り、バーバリー・グループは2年ぶりに既存店売上高がプラスに転じた。両社とも、中国市場に改善の兆しが見られると指摘している。
リシュモンの株価は、14日のチューリッヒ市場で一時8.7%高となった。リシュモン株は年初から13日終値までで17%上昇しており、トランプ米政権が8月にスイス製品に39%の関税を課した後も、上昇基調を維持している。
原題:Richemont Sales Climb on Stronger Demand from US, China (2)(抜粋)
--取材協力:Levin Stamm.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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