ペプシコは、人気スナック「チートス」と「ドリトス」から人工着色料を取り除いた「裸の」バージョンを発売する。健康志向を強化する取り組みの一環で、明るいオレンジ色などブランドの象徴だった色を排し、自然な淡い黄色の外観に仕上げた。

新商品は「シンプリーNKD(Simply NKD)」として展開され、米国では12月1日までに店頭に並ぶ予定だ。

ペプシコ・フーズUSのレイチェル・フェルディナンド最高経営責任者(CEO)によると、このスナックは従来品と同じ味を維持しながらも新鮮な見た目を提供することを狙っている。

同社は既に人工着色料を使わない「シンプリー」製品ラインを展開しているが、従来とは異なる風味の商品が中心だった。新しいNKDシリーズは、従来の味をそのまま再現しつつ、人工的な色を一切使わない点が特徴だ。

食品業界では、ケネディ米厚生長官が主導する「米国を再び健康に(Make America Healthy Again)」運動などの影響もあり、人工着色料から天然由来成分への切り替えが進んでいる。ペプシコもこうした流れを踏まえ、製品群全体を見直している。

新しいNKDシリーズでは、激辛の「フレーミンホット」チートスが従来の赤みがかったオレンジ色ではなく淡い黄色に変わり、食べた後指先には白い粉が残る。ナチョチーズ味のドリトスも、見た目は普通のコーンチップのようで、これまでのようなオレンジの色ではなくなる。

同社は専門のテイスターを起用し、赤い照明下で色が見えない状態で味と食感を比較するテストを実施。「目を閉じても同じカリッとした食感と風味を感じられる」とフェルディナンド氏は語った。

過去には、製品の色調を自然寄りに変えた結果、消費者の反発で元に戻した例もある。ゼネラル・ミルズは2017年、カラフルなシリアル「トリックス(Trix)」で天然着色料のみの製品を試したが、消費者の不評を受け人工着色料を復活させた。

それでもフェルディナンド氏は、食品成分の透明性を重視する消費者が増えているとみている。「消費者の嗜好(しこう)は、成分がシンプルで代替的な選択肢を求める方向に傾いている。着色料廃止をリスクとは考えていない」と述べた。

原題:‘Naked’ Cheetos and Doritos Ditch Iconic Colors in Health Push(抜粋)

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