6日の米株式市場で、ドーナツチェーンのクリスピー・クリームが急伸した。7-9月(第3四半期)に営業キャッシュフローが3四半期ぶりに黒字となり、その幅が2022年後半以降で最大となったことが好感された。6月に米マクドナルドとの提携が終了した後、業績立て直し計画を推し進めている。

6日発表の決算資料によると、営業キャッシュフローは4230万ドル(約65億円)の黒字、フリーキャッシュフローは1550万ドルの黒字だった。調整後EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)は4060万ドルに増加。マクドナルド提携関連のコストが残っているにもかかわらず、前四半期比で約2倍となった。

米国内の調整後EBITDAは約50%増の2100万ドルとなった。シティグループのアナリスト、ジョン・タワー氏はこれについて、主に930万ドルの保険金回収によるもので、米事業の収益性改善には時間を要することを示しているとリポートで指摘した。同氏はクリスピー・クリーム株の投資判断を「中立」としている。

6日のニューヨーク市場で、クリスピー・クリーム株は一時19%上昇した。ミーム株として取引されていた10月以来最大の上昇率だ。年初来では5日終値まで62%下落していた。

 

ジョシュ・チャールズワース最高経営責任者(CEO)はブルームバーグのインタビューで、10-12月(第4四半期)も調整後EBITDAが増加し、フリーキャッシュフローは黒字を維持する見通しだと述べた。GAAP(米国会計基準)ベースでは依然として赤字だ。

チャールズワース氏はさらに、米国での黒字化とバランスシートのレバレッジ解消に向け進展していると述べた。同社は業績の振るわない約1400店を閉鎖し、代わりにウォルマートやコストコなどの小売店内に約1000の販売拠点を新設。これら拠点の売上高は「平均を大幅に上回っている」という。

同社は8月の発表でも、年内に約1500の業績不振店を閉鎖し、より収益性を見込める約1100の拠点を設置する計画を示していた。

原題:Krispy Kreme Jumps on Positive Cash Flow, Turnaround Update (1)(抜粋)

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