オリンパスは7日、組織や人員の適正化の一環で、約2000人を削減すると発表した。今期(2026年3月期)から始め、効果の大部分は27年3月期に表れるとしている。

発表によると、実施前に比べて年間約240億円のコスト減を見込む。費用の120億円は今期の業績見通しに織り込み済みで、現地の労働法、規則、規制に沿って進めるとしている。2025年9月末時点でのグローバルの従業員数は2万9056人。

オリンパスは6月に米食品医薬品局(FDA)から品質システムの規制違反に懸念があるとして、内視鏡など一部医療機器の米国への出荷が差し止められた。こうした影響を受け今期の営業利益は前期比16%減の1360億円を見込む。

同日発表した経営戦略では、地域を軸とした経営体制から事業を主体としたシンプルな組織運営に移行すると説明。財務目標としては、29年3月期までに前年比5%の売上成長などを目指すと明らかにした。段階的な増配と投資機会などを考慮した上で機動的な自己株取得も検討する。

同社のボブ・ホワイト社長は同日の決算説明会で、人員削減の地域や部門についてはコメントを控えたが、会社全体で行う考えを示した。

UBS証券アナリストの葭原友子氏は、新経営戦略についてはFDA警告書の対応に加えて、競争力の向上と販管費の改善に取り組む姿勢を重視していると発表前の取材で述べた。

ここ数年は、FDA対応の影響で研究開発や、企業の合併・買収(M&A)による成長戦略が停滞していると指摘する。「人員のスリム化や不採算製品からの撤退などに言及されればポジティブだ」と話していた。

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