11月第2週(10-14日)の日本株は上値の重い展開が予想される。国内企業の決算は堅調な一方、米国景気の減速懸念や人工知能(AI)関連株の過熱感が相場の重しになりそうだ。

国内の決算発表は最終盤に差しかかり、11日にソフトバンクグループやソニーグループ、川崎重工業などが予定する。AI関連需要の強さや為替の円安、米関税影響の縮小などを背景に好決算が相次いでおり、業績見通しの改善が引き続き相場を支える見通し。13日には米半導体製造装置大手のアプライド・マテリアルズが決算を発表するため、業績見通しが強気なら国内の関連銘柄には追い風となる。

一方、AI関連などハイテク株をけん引役に上昇してきた日米株の過熱感や米雇用市場の悪化懸念は残りそう。第1週の東証株価指数(TOPIX)は利益確定売りに押され1%安と反落し、5週ぶりの下落率。TOPIXの予想株価収益率(PER)は4年半ぶりの高水準となっていた。

日米の金融政策を巡っては、10日に日本銀行が金融政策決定会合の主な意見(10月29・30日分)を発表し、中川順子審議委員が講演する。12日には複数の米地区連銀総裁が講演予定だ。米利下げ観測が後退したり、為替が急激に円高に振れれば株価の下落要因になる。

《市場関係者の見方》

三菱UFJアセットマネジメントの石金淳エグゼクティブファンドマネジャー

企業決算は相場の足を引っ張るようなものは出なさそうだ。一方で米国のAI関連の過剰投資への懸念や利下げを巡る米連邦準備制度理事会(FRB)の分裂、米景気の減速感はリスクになる。日経平均株価は10月以降の上昇が急だったことを踏まえると、まだ調整局面は終わっていないだろう。

SBI証券の鈴木英之投資情報部長

日経平均は4万9000円から5万3000円程度のレンジを予想。決算の最終局面に向け、もう一度買い直しが入ることを期待する。半面、足元の相場は高市政権樹立を受けた高揚感や米中摩擦改善への期待など、好材料を大きく織り込んできた面もある。決算発表が一巡すると、材料出尽くしとなる懸念もある。

--取材協力:我妻綾.

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