ニューヨーク市長選で勝利したゾーラン・マムダニ次期市長は、反トラスト法(独占禁止法)違反への厳しい対応で、大企業やディールメーカーから強い反発を招いた米連邦取引委員会(FTC)前委員長のリナ・カーン氏を移行チームに起用した。

マムダニ氏は4人の共同代表の1人にカーン氏を指名した。経済政策や人事で次期市長に助言を行う。カーン氏の広報担当ダグラス・ファーラー氏が明らかにした。

バイデン前政権下でFTC委員長を務めたカーン氏は、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフトなど巨大テック企業を相手取り、大型訴訟を起こしたが、全て成功したわけではない。

食品スーパー大手のクローガーとアルバートソンズの合併阻止に動く一方、従業員が退職後に競合他社で働くことを禁止するノンコンピート(競業避止義務)契約の禁止も推進したが、連邦裁判所によって差し止められた。

カーン氏の取り組みはウォール街をいら立たせ、多くの資産家の怒りをかき立てた。

カーン氏は5日の記者会見で、「ニューヨーク市民は昨夜、新たな市長を選んだだけでなく、並外れた企業の力と資金がわれわれの政治を度々左右する現状を明確に拒否し、変化を負託するはっきりした意思表示を行った」と語った。

原題:NYC’s Mamdani Names Ex-FTC Chief Lina Khan to Transition Team(抜粋)

--取材協力:Myles Miller.

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