オランダに本社を置く半導体メーカー、ネクスペリアの中国部門は2日、親会社によるウエハー供給停止にもかかわらず、顧客からの注文に応じるのに十分な在庫を確保していることを明らかにした。

中国部門は通信アプリ、微信(ウィーチャット)のアカウントに掲載した資料で、「安全で信頼できる」半導体供給を確保する上で十分な在庫を持っていると説明。さらに「複数の緊急時対応計画」を備えており、他の供給元からのウエハー調達プロセスを加速しているとした。

オランダ本社は先月26日、中国工場への供給を停止。自動車や家電メーカー向けに半導体を販売するネクスペリアを巡っては、経営権に関する対立による影響で欧州などの顧客に混乱が広がっている。

中国政府は先月、ネクスペリアの中国からの輸出を制限。オランダ側が中国資本の同社を管理下に置いたことへの対抗措置だった。

オランダ政府はネクスペリアを傘下に持つ中国の電子機器大手、聞泰科技(ウィングテック・テクノロジー)がネクスペリアの経営の足かせとなり、主要な部品供給を脅かしているとの懸念から拒否権を取得していた。

事情に詳しい関係者によると、先月30日の米中首脳会談で合意された貿易休戦を受け、米政府はネクスペリアによる中国からの半導体出荷再開を発表する見通しとなっている。中国商務省は1日、一定の条件下で輸出を認めると公表したが、詳細は示さなかった。

ネクスペリア中国部門は資料で、契約上の支払い条件に従うことを怠ったとの親会社側の主張について事実無根だと反論。逆に、オランダ本社には中国の東莞工場に10億元(約216億円)余りの未払いがあると主張した。

原題:Nexperia China Says It Has Enough Stock Despite Supply Halt(抜粋)

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