米中古車業界は、最近の動向を踏まえると、決して安定した状況にはない。大手融資会社が経営破綻した直後に、大手部品サプライヤーも破綻した。ローン延滞率は急上昇し、中古車価格は高止まりしている。低所得層の消費者には限界の兆しが見え始めている。

こうした中、注目されるのがオンライン中古車販売のカーバナだ。同社はコスト削減や債務再編、急速な事業拡大の抑制などを通じて、ここ数四半期にわたり堅調な業績を上げている。株価は年初から78%上昇し、2022年の急落からの反発率は9000%に達した。

アリゾナ州テンピに本拠を置くカーバナの株価収益率(PER)は現在53倍で、カーマックスやリシア・モーターズといった競合他社を大きく上回る。29日の引け後に予定される決算発表を控え、投資家の間では緊張感が高まっている。

ラウンドヒル・ファイナンシャルのデーブ・マッツァ最高経営責任者(CEO)は「市場の期待が非常に高く、株価も既に大きく上昇している中、今回の決算では販売台数を落とさずに利益率を拡大できるかどうかが焦点になる」と指摘。「業績見通しでつまずけば、モメンタム投資家はアクセルを踏んだときと同じ速さで一気に売りに転じる可能性がある」と述べた。

自動車部品メーカーのファースト・ブランズ・グループとサブプライム(信用力の低い個人向け)自動車ローン会社トライカラー・ホールディングスの破綻は、経済的に厳しい立場にある消費者が苦境に陥っているとの懸念を増幅させた。カーマックスが9月に決算を発表した際には、株価が20%急落した。

ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏は「低所得層の消費者を巡っては、自動車業界では最近悪いニュースばかりだ」と話した。

それでも、カーバナに対するアナリストの見方はおおむね強気だ。ブルームバーグが追跡する23人のアナリストのうち、売りを推奨しているのはわずか2人にとどまる。平均目標株価は423ドルと、28日終値を17%上回る水準となっている。

原題:Carvana’s 9,000% Rally Faces Profit Test as Used-Car Woes Mount(抜粋)

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