ナポレオンの宝石など9点が被害

犯人たちが押し入った2階にあったのは「アポロン・ギャラリー」。豪華な装飾の部屋には、皇帝ナポレオンが集めた宝石などが展示されていました。

盗まれたのは、ティアラやネックレス、王冠、ブローチなど9点。このうち王冠は、美術館の付近で損傷した状態で見つかったということです。

犯人たちは犯行後、スクーターで逃走したとみられています。犯行現場には、電動カッターのほか、バーナーやトランシーバー、毛布などが残されていたということです。

また、美術館の近くでは、犯人が着ていたとみられる黄色いベストが見つかったそうです。

犯行当時、現場近くにいた人は…

当時現場近くにいた人
「警備の人たちが“ここから離れて!早く、走って!”と叫んでいました。ただならぬ様子だとは感じました」

今回の事件をめぐっては、警備態勢の不備も指摘されています。

ルーブル美術館では今年6月、警備員や職員などの「人手不足」に抗議するため、従業員がストライキを行っていました。

ルーブル美術館の従業員
「何か月も前から警備員ら全員が、日々、直面している問題や欠陥について警告していました。しかし経営陣はこれらの警告をまったく聞き入れず、こんにち、私たちが恐れていたこと、すなわち略奪と破壊が現実のものとなってしまいました」

マクロン大統領は事件に対しSNSで、「私たちの大切な遺産に対する攻撃だ。犯人を裁きにかける」と強く非難しています。