米財務省は17日、過去に例を見ない規模のアルゼンチン・ペソ買い・ドル売りの介入を行ったと、複数のトレーダーは推計している。ただ、米国の支援を受けてもペソの下落傾向に歯止めはかかっていない。

事情に詳しい複数の関係者によれば、米財務省は同日の取引で2億ドル(約300億円)余りを売却したとトレーダーは推計。このうち約半分は最後の10分間に実施された。少なくとも公式のスポット市場では、こうした概算値はこれまでの取引で見られなかった規模という。特定の取引に関する情報として匿名を条件に関係者が明かした。

米財務省の報道担当は、ペソの買い入れ規模に関する複数のコメント要請に対して、17日時点で回答しなかった。ベッセント米財務長官はこれに先立ち、米国が16日も「ブルーチップ・スワップ」として知られるアルゼンチンの並行為替レートでペソ買いを実施したと明らかにしていた。

ベッセント長官は17日午前、「財務省は全ての市場を監視しており、アルゼンチン安定化に向け柔軟かつ強力な行動を取る能力を有している」とXに投稿した。

こうした措置からは、26日に予定されるアルゼンチンの議会中間選挙を前に市場安定化を図る米政府の強い決意が浮き彫りとなる。アルゼンチンのミレイ大統領率いる与党は、現在全体の約15%にとどまる議席について、勢力拡大を目指している。

トランプ政権は先週、市場安定化に向け異例の措置としてペソ買いを開始。ただ選挙後の通貨切り下げへの懸念からアルゼンチン勢によるドル買いが続いている。

ペソ相場は年初来で約30%下落。17日は下げが加速し、対ドルで一時5.2%安となった。

 

原題:Argentine FX Traders Estimate US Treasury Sold Over $200 Million(抜粋)

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