(ブルームバーグ):オーストラリアの重要鉱物関連企業の株価が14日に急伸した。トランプ米大統領が中国との戦略的競争を一段と強める中、米国が出資に関心を示している兆しがある。
ノバ・ミネラルズとレゾリューション・ミネラルズの発表によると、ワシントンで来週行われるアルバニージー豪首相とトランプ米大統領の会談に先立ち、両社は豪政府に説明を行う。両社の米国プロジェクトには、先端防衛技術に不可欠とされる重要鉱物アンチモンとタングステンが含まれる。
レゾリューションの株価は49%上昇し、ノバも一時15%高となった。両社によれば、首脳会談では重要鉱物とレアアース(希土類)が議題となる見通しだ。
ここ数カ月に米国は、この分野の主要企業の持ち分取得に動いた。レアアース生産のMPマテリアルズ、リチウム・アメリカズ、半導体大手インテルのポジションを取得した。これは、中国の支配的地位を対抗する供給網構築を目指す米国の広範な戦略の一環だ。
事情に詳しい関係者によると、先月には豪鉱山企業10社強がワシントンで複数の政府機関と協議した。米政権が企業の持ち分を取得する方法を検討しているとの説明を受けたという。
一方、中国は先週、国家安全保障上の理由からレアアースなど重要鉱物の輸出規制を強化する方針を示した。商務省によると、新規制では特定の金属を輸出する場合、輸出ライセンスが必要になる。
グローバルXマネジメント(シドニー)の投資アナリスト、ジャスティン・リン氏は「米中貿易摩擦の再燃が、サプライチェーンを巡る地政学的リスクに対する投資家の感度を再び高めた」と指摘。「中国はレアアースに関する圧倒的な地位を利用できることを世界に再び思い出させた。当面、この姿勢を維持する可能性が高い」と述べた。
他の重要鉱物関連銘柄も軒並み上昇した。オーストラリアン・ストラテジック・マテリアルズは52%上昇した。米国や韓国の関連銘柄も13日に大幅高となった。
原題:Australia Critical Minerals Stocks Soar as US Hunts Stakes(抜粋)
--取材協力:Catherine Ngai、Jason Scott.
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