イスラエルとイスラム組織ハマスとの和平案第1段階の合意を受け、パレスチナ自治区ガザでハマスに拘束され、生存していた人質20人が、現地時間13日に解放された。

イスラエル国防軍によると、ハマスが解放した最初の人質7人が、赤十字国際委員会からイスラエル軍に引き渡された。その後、残る13人の引き渡しも赤十字国際委が確認した。人質らはイスラエル軍と共に帰途に就き、健康状態のチェックを受ける。

2023年10月7日のハマスのイスラエルへの奇襲攻撃で連れ去られ、ガザで最後まで拘束されていた生存する人質全員が解放されたことで、2年間続いた戦闘は一つの節目を迎える。

トランプ米大統領は13日早朝にイスラエル入りし、ネタニヤフ首相や、人質の家族らと面会した。その後、各国首脳らとの会談のため、エジプトのシャルム・エル・シェイクに移動した。今後の安定に向けた構想を練る予定だ。

イスラエル国会(クネセト)で演説したトランプ氏は、今回の合意を「新たな中東の歴史的夜明け」と表現した。ホワイトハウスが公表した演説抜粋によると、トランプ氏はイスラエルに対し「戦場でのテロリストへの勝利を、中東全体に平和と繁栄をもたらす究極の成果へとつなげるよう」求める一方、ガザの人々には「安定、安全、尊厳、経済発展という基本を取り戻し、子どもたちが本来得るべきより良い生活を手に入れられるよう努力すべきだ」と呼びかけた。

この不安定な停戦は、トランプ氏の「ディール外交」能力にとって大きな試練であり、停戦が持続すれば、平和の仲介者として記憶されるという同氏の目標を後押しすることになる。大統領のチームは、トランプ氏の個人的保証と米軍の監視が、合意の履行を確実にすると考えている。ハマスは、ネタニヤフ氏が求める武装解除や、将来のガザ統治に関与しないといった条件に、いまだ同意していない。

複雑な和平計画の次の段階をどう実行するのかも課題だ。ガザを巡回する治安維持部隊の編成や、イスラエル軍の撤退速度などの詳細は明らかになっていない。壊滅的な被害を受けたガザの再建作業も、人口200万人以上の大半が避難している現状を考えれば、途方もない挑戦となる。

トランプ米大統領はエジプトのシシ大統領と会談し、同国が「非常に重要な役割を果たし、ハマスとの関係においても極めて重要な役割を担ってきた」と述べた。「ハマスはこの国を尊重し、エジプトの指導部を敬っている」とも語った。

トランプ氏はまた、自身の和平計画の「第2段階」が始まったとの認識を示し、ガザには「徹底した再建が必要」との見解を示した。

シャルム・エル・シェイクの会議場所では、フランスのマクロン大統領やドイツのメルツ首相、カタールのタミム首長、イタリアのメローニ首相、スターマー英首相らがトランプ氏の到着を待っていた。

各国首脳は、今後のガザについて協議する。議題には同地域を支配してきたハマスに武装解除を促し、統治に関与しないことを確約させるといった難題も含まれる見通しだ。また、一部の国による平和維持部隊の派遣やガザの再建をどう進めるかについても議論されるとみられる。

原題:Hamas Frees All 20 Living Gaza Hostages as Trump Lands in Israel、Israel Says Red Cross Receives 13 Last Living Hostages、IDF: Seven Hostages Handed Over to Israeli Forces、Trump’s Fragile Mideast Peace Deal Faces Its Moment of Truth (2)、Trump Hails ‘Dawn of a New Middle East’ in Knesset Speech (2)、Trump Arrives in Egypt for Gaza Peace Summit With World Leaders(抜粋)

(見出しを変え、最終4段落を追加します)

--取材協力:Josh Wingrove、Ros Krasny、Maria Paula Mijares Torres.

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