イスラエルでは安堵の声 失ったガザ市民の命の重さも指摘

小川キャスター:
戦禍の当事者の皆さんの生活はどうなのか。イスラエル、ガザの人たちからはどんな声が聞こえますか?

中東支局長 増尾聡記者: 
テルアビブにある広場ですが、ここには人質の解放の決定を喜ぶ家族や知人が集まり、さながらお祭り騒ぎのような状態です。

ここで聞かれるのは、一様に人質解放への安堵と喜びの声です。

2年間この場所に足を運び続けてきた女性は、「イスラエル国民全体が、この瞬間を待ちわびてきた」と、知人と抱き合いながら喜びを爆発させていました。

一方で、ネタニヤフ政権への不満、非難の声も聞かれました。今回の合意の内容は、これまで何度も交渉で議論されてきたことと近しいこともあり、「もっと早く合意できたはずだ」との声もあがっています。

そして、ガザの市民ですが、住民と10月8日からメッセージアプリでやり取りを続けていますが、こちらは対照的に、手放しには喜べないという声もありました。「2年間で失った6万7000人というガザ市民の命はあまりにも大きすぎる」ということでした。

加えて、「今後も停戦が破られずに続くのか。この2年間で破壊された街を建て直せるのか」そうした未来に対する不安の声も聞かれました。

今後は和平計画の第二段階として、ガザの武装解除や戦後統治などハードルの高い交渉も控えていて、予断を許さない状況が続きます。