(ブルームバーグ):米大リーグ、エンゼルスで通算400本塁打を達成したマイク・トラウト選手が自身のゴルフ場を2026年4月に開業する。
ニューヨーク市から約2時間の距離にあるニュージャージー州バインランドにオープンするのは「トラウト・ナショナル ─ ザ・リザーブ」。トラウト選手(34)の地元からも近いこのゴルフ場は会員制でタイガー・ウッズ氏の会社が設計を担当した。
18ホールのコースに加え、夜間もプレー可能な照明付きのショートコースも備える。会員向けのプレビュー・プレーは4日に始まった。トラウト選手は会費や入会条件を明かしていないが、会員数は227人に制限するという。
米国では高級プライベートコースの開発が進み、トラウト選手のゴルフ場もその波に乗った格好だ。食事や宿泊、サービスの質にこだわる富裕層はプライベートジェットで数日間ゴルフをプレーすることが当たり前になっている。
12歳の時に父親に初めてゴルフ場へ連れて行かれたトラウト選手は、新型コロナウイルスで野球の試合が中断された時期に本格的にゴルフに打ち込んだ。「彼は短期間で驚くほど上達した」と兄のタイラーさんは語っている。
トラウト氏は「ゴルフをするのはもちろん大好きだ。チームと話し合ったときに『野球を引退した後に取り組むこととして良いチャンスかもしれない』と思った」と述べた。
また、「そこから一気に話が進んで、最高のものを作ろう、自分たちの『ホーム』と呼べる特別な場所にしようと決めた」とも明かした。
ゴルフ場の設計はトラウト選手が最も尊敬するアスリートの1人と形容するウッズ氏のTGRデザインが担当した。2006年の設立以降で手がけた十数コースのうちほとんどは、ウッズ氏が5回優勝したオーガスタ・ナショナルGCから着想を得ている。
トラウト・ナショナルも、広く起伏のあるグリーンと最小限のラフという共通の特徴を備える。コースだけではなくクラブハウスも豪華でデザインは欧州の邸宅を思わせる。
トラウト選手に今のところ野球引退の予定はない。しかし、自身のゴルフ場を作った以上、その将来像は想像に難くない。現在、兄のタイラーさんと共に会員募集などに力を注いでおり、名前は明かしていないが、4大スポーツのプロ選手らがすでに会員になったという。
「鹿狩りのときに見張り台の上で過ごす時間は、現実から離れて静かに自然を感じ、心を落ち着けるための特別な時間だった」というトラウト選手は「それがゴルフ場を作るときに思い描いていたことだ。今の世の中を考えると、現実から離れられるのは本当に大切なことだと思っている」と語った。
原題:Baseball’s Mike Trout to Debut High End Golf Club in New Jersey(抜粋)
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