6日の東京外国為替市場で円は対ユーロで最安値を更新した。自民党総裁選で高市早苗前経済安全保障担当相が勝利し、財政拡張への警戒感から円売りが活発化している。

円は対ユーロで一時175円50銭に下落。昨年7月に付けた175円43銭を下回り、1999年のユーロ導入以来の安値を更新した。高市氏勝利を受けて円は全面安の展開で、対ユーロでは先週末の173円台前半から2円超下落している。

4日の自民党総裁選では小泉進次郎農相との決選投票の結果、大方の予想に反して高市氏が勝利。金融緩和や積極財政を志向する同氏の政策スタンスに加え、与党が衆参両院で過半数割れしている現状では法案や予算案を通すために野党の協力が欠かせず、財政悪化への懸念が強まっている。

あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、「円は対ドルでも2円程度下げており、円売りが強まればさらにユーロが上昇する可能性がある」と指摘した。

欧州中央銀行(ECB)は利下げサイクルの終了を示唆している。日本銀行は追加利上げ継続の姿勢を示しているものの、政策金利は0.5%と極めて低水準だ。政策金利と物価上昇率から算出する日本の実質金利はマイナス2%台前半と主要国で最低で、円が売られやすい要因の一つになっている。

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