(ブルームバーグ):ビットコインがアジア時間5日の取引で最高値を更新した。米政府機関の一部閉鎖を受けたリスク資産の上昇で、世界最大の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインを買う動きも勢いづいている。
ビットコインは一時12万5689ドルまで上昇し、8月14日に記録したこれまでの最高値を上回った。米株式相場の上昇や、ビットコイン連動型上場投資信託(ETF)への資金流入が再び強まっていることも支えとなっている。
1日からの米政府閉鎖を受け、市場関係者が「通貨価値切り下げ(debasement)トレード」と呼ぶ取引が活発化している。このトレードは、法定通貨の価値毀損(きそん)に対するヘッジとして、金やビットコインなどの資産に資金を移す投資戦略を指す。
デジタル資産プライムブローカーのファルコンXのマーケット担当共同責任者ジョシュア・リム氏は、 「株式や金、さらにはポケモンカードのようなコレクターズアイテムまでが史上最高値を更新している現状を踏まえれば、ドル価値の毀損というストーリーの中でビットコインが恩恵を受けているのも不思議ではない」と指摘した。
強気ムードを後押ししている要因として、ビットコインが10月にアウトパフォームする傾向も挙げられている。ビットコインは過去10年のうち9年で、10月に上昇している。
時価総額で最大のデジタル資産であるビットコインは今年これまでに30%余り上昇している。
暗号資産を巡るトランプ政権の政策も追い風となっている。マイケル・セイラー氏率いるストラテジーなどの上場企業が、企業の資産戦略としてビットコインを蓄積する動きを強めたことで需要が拡大。こうした動きはイーサなどにも波及し、デジタル資産全体の上昇をけん引している。

原題:Bitcoin Rises to a Record as ‘Debasement’ Trade Spurs Risk Rally(抜粋)
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