(ブルームバーグ):インドネシア当局が中国系の動画共有サイト「TikTok」の現地営業ライセンスを停止したことについて、TikTokは解決に向けて当局と取り組んでいると明らかにした。
8月に全国で抗議活動が広がった際のライブ配信活動に関するデータの全面提供にTikTokが応じなかったことを受け、通信デジタル省は民間の電子システム運営者としての義務違反を理由にTikTokのライセンス停止を3日に発表した。
TikTokは同日遅く、「事業を展開する各市場の法令を尊重している」とした上で、「この問題に建設的に対処するため、通信デジタル省と緊密に連携している。一方で、ユーザーのプライバシー保護に引き続き取り組み、インドネシアのコミュニティーに安全で責任ある利用環境を提供することを約束する」とするコメントを出した。
TikTokは、8月25-30日に行われた政府に対する抗議デモ期間中のユーザー活動データの完全な提供を拒否。当局によると、TikTok側は一部情報は提出したが、政府の要請を完全には満たさなかった。
通信デジタル省幹部のアレクサンダー・サバー氏は3日遅くに発信したテキストメッセージで、ライセンス停止は行政上の措置で、アプリの停止を意味しないため、TikTokのサービスは引き続き利用できると説明。
同氏はTikTokが前向きに応じ、「義務を果たす建設的な解決策」を提示するため連絡してきたとも付け加えた。
TikTokは9月23日付の書簡で、社内方針によりデータに関する要請に全面的には応じられないと同省に伝えていた。
TikTokはデモの激化を受け、8月30日にライブ配信機能を一時停止し、緊張が和らいだ数日後に再開した。
今回のライセンス停止は、TikTokにとって最大級の市場の一つで直面する規制上の課題を浮き彫りにしている。インドネシア当局はソーシャルメディアや電子商取引プラットフォームへの監督を強化している。
原題:TikTok Engaging Indonesian Officials After License Suspended (1)(抜粋)
--取材協力:Prima Wirayani.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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