(ブルームバーグ):自民党は4日午後1時から、総裁選挙の投開票を行う。1回目の投票では過半数を獲得できる候補者がおらず、決選投票にもつれ込む可能性が高い情勢だ。1回目投票の結果は午後2時台、決選投票は同3時台に判明する見込み。
石破茂首相の辞任表明を受けた今回の総裁選には5人が立候補した。国会議員票と同数の党員・党友票の合計590票を争う。決選投票は295人の議員票と47都道府県連に配分した地方票の合計342票で新総裁を決める。
今回の総裁選は、衆参両院で与党が過半数割れするなど、自民党にとって平時ではない状況下で行われた。選挙期間中は、物価高対策に加え、野党が主張する政策への立場や、連立拡大の是非なども論点となった。
報道各社の調査では、国会議員票で首位を走る小泉進次郎農相や保守色の強い高市早苗前経済安全保障担当相が先行。石破首相の継承候補とされる林芳正官房長官が追う構図となっている。
みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは3日の電話取材で、市場のコンセンサスは小泉氏だとした上で、小泉氏か林氏が勝利すれば市場反応は限定的になるだろうと述べた。高市氏が選出されればイールドカーブ(利回り曲線)のスティープ(傾斜)化、株高円安が進行するだろうと予想していた。
共同通信が27、28両日、投票資格者に実施した調査では、高市氏の34.4%に続き、小泉氏が30.5%、林氏が13.4%の支持を得た。国会議員票は小泉氏が80人強、林氏が60人程度、高市氏が40人程度の支持を集めているという。読売新聞が同期間に党員・党友に対して行った調査では、小泉氏41%、高市氏28%、林氏13%だった。
9人が出馬した昨年の総裁選では1回目の投票で党員票トップだった高市氏が議員票の比重が大きい決選投票で石破首相に敗れた。自民党の支持基盤が弱まる中で、今回も党員票の結果を反映しない決選投票結果になれば、党員と議員の乖離(かいり)が指摘される可能性がある。
候補者は高市、小泉、林の各氏に加え、小林鷹之元経済安全保障担当相、茂木敏充前幹事長の計5人。党員・党友による投票は3日に締め切られた。
新たに選出される総裁は週明けにも党役員人事に着手。今月中旬にも行われる臨時国会での首相指名選挙に臨む。野党が候補者を一本化する見込みは立っていないため、新総裁は首相に選出される公算だ。
小泉氏が勝利すれば戦後最年少の首相、高市氏が選出されれば初の女性首相の誕生となる。衆参で与党が過半数割れする中、野党との連立も視野に当面は政策ごとの協力が不可欠となる。まずは物価高対策に向けた経済対策の策定とその裏付けとなる年内の補正予算編成への着手が喫緊の課題となる。
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