(ブルームバーグ):米国で7年ぶりとなる政府閉鎖が3日目に入る中、共和党と民主党指導部はそれぞれの主張を繰り返している。下院で可決された暫定予算案をめぐる3日の上院採決も、可決には至らない見通しだ。水面下での交渉も合意には至っていない。
トランプ大統領が政府閉鎖を利用して数千人の連邦職員を解雇し、政治的報復を図る一方、民主党は強硬姿勢を崩していない。対立は膠着状態で、連邦職員の一時帰休や政府サービスの中断が長期化する可能性が高まっている。
週末に上院が採決を行う可能性は低く、政府閉鎖は週明けまでずれ込み、両党が合意できなかった責任を互いになすりつけ合う事態となるのはほぼ確実だ。
これは民主党にとっての転機でもある。同党は3月、就任直後のトランプ氏があまりに強大で人気が高く対抗できないとの懸念から、同氏の要求に屈した。だが今回は、オバマケアの保険料補助の維持やメディケイド削減の撤回を守る戦いが有権者に響くと信じ、トランプ氏の強硬戦術による痛手に耐える価値があると判断している。
民主党のジェフリーズ下院院内総務は2日、記者団に「この政府閉鎖に伴うトランプ氏と共和党の手先たちの報復的行動は、この政権の冷酷さを際立たせるだけだ」と語った。

長期戦
連邦職員の大量解雇の脅威が迫る中、共和党は政府閉鎖が続けばその影響はさらに深刻化すると警告している。
下院のジョンソン議長は「閉鎖を続ければ、苦痛はますます大きくなる」と述べ、オバマケアの補助金を巡る協議は、民主党が政府再開に賛成票を投じた後でしか行えないとした。
民主党指導部は、トランプ氏とボート行政管理予算局(OMB)局長が、閉鎖の有無に関わらず、連邦機関の縮小や大量解雇を計画していたと主張している。
上院歳出委員会のマレー委員長は2日、閉鎖中の解雇は確実に法廷で争われることになると記者団に語った。マレー氏や他の民主党議員は、歳出法は閉鎖中に人員削減の準備や解雇手当の支払いといった活動に予算を充てることを禁じていると指摘している。
共和党がつなぎ予算の行き詰まりを覆すには、さらに5人の民主党議員が必要だ。
共和党が取り込みを狙うのは、3月に政府継続を支持した中道派民主党やスイングステートの議員たちだ。ニューハンプシャー州選出のシャヒーン議員、ハッサン議員、ミシガン州のピーターズ議員は、いずれも6カ月前の採決で賛成票を投じている。バージニア州選出のワーナー議員やケイン議員も、同州の連邦職員数を考慮すれば政府再開に前向きとみられる。
こうした議員の多くは、共和党との非公式協議に関与しているが、大統領への不信感は根強い。民主党は、共和党から「空約束」しか得られないと考え、妥協しない構えだ。民主党は予算案こそが最も強力な交渉手段であり、ジョンソン氏が補助金延長に反対する下院で、オバマケア補助金に関する譲歩を得る唯一の方法とみている。
原題:Democrats Dismiss Trump Firing Threats as US Shutdown Drags On(抜粋)
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