中国から北極海を通り、イギリスに向かう貨物船が出港しました。航路開発に力を入れることで、北極海での権益を拡大する狙いがあります。
中国メディアによりますと、貨物船は23日、浙江省寧波を出発し、北極海を経由してイギリスへ向かうということです。
中国メディアは「世界で初めて中国とヨーロッパを結ぶ北極海航路が正式に開通する」と報じています。これにより、これまでスエズ運河経由で1か月以上かかっていた輸送が22日短縮され、18日でイギリスに到達できるとしています。
中国政府は北極海航路を「氷上のシルクロード」と呼んで開発を進めてきました。
北極海をめぐっては、中国とアメリカが開発をめぐり激しい主導権争いを繰り広げています。
アメリカのトランプ大統領が北極海に面したデンマークの自治領グリーンランドの領有に強い意欲を示す一方、中国も去年、海警局の艦船がロシア国境警備隊とともに北極海を初めて航行するなど、安全保障面での関与を強めてます。
中国としては航路開発の実績を積み重ねるとともに、資源開発などの分野でも関与を強め、権益を拡大する狙いがあるものとみられます。

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