(ブルームバーグ):財務省が17日に実施した新発20年国債入札は、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が2020年以来の高水準になった。利回り水準の高さが投資家需要を促した。
入札結果によると応札倍率は4倍だった。過去12カ月平均は3.21倍。最低落札価格は97円90銭と、市場予想の97円80銭を上回った。小さいと好調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は10銭と、前回の13銭から縮小した。
明治安田アセットマネジメント債券運用部の大﨑秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャーは、入札は「しっかりした結果」だと評価。「事前に調整が進んでいたことや、金利水準の高さ、利回り曲線上での割安感などから買い需要が強かった」と述べた。新発20年国債の利回りは今月初めに2.69%と1999年以来の高水準を付けた。
みずほ証券の大森翔央輝チーフ・デスク・ストラテジストは、20年債は銀行、生命保険、海外勢と多様な投資家が集まるセクターになりつつあることから、「米連邦公開市場委員会(FOMC)、日本銀行の金融政策決定会合、自民党総裁選挙前とはいえ一定の買いがあったようだ」と話した。
入札結果を受けて、長期国債先物市場の中心限月12月物は上昇している。ただ、明治安田アセットの大﨑氏は「政治リスクや日銀の買い入れオペ減額観測などがあり、買いが持続するかは分からない」と言う。

ブルームバーグ・ストラテジストの見方:
次の注目は日米の金融政策決定会合。日銀については植田和男総裁が10月の利上げを検討する場合、依然としてリスク要因となる。投資家は利上げは10月よりも12月の可能性が高いとみているため、植田総裁が早期利上げを示唆すれば債券相場に悪影響を与える可能性がある。
-MLIVストラテジスト、マーク・クランフィールド、関連記事はMLIV
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