アメリカでトランプ大統領を支持する保守系の活動家が銃撃され、死亡しました。現地では大きな衝撃が広がっていますが、どんな人物だったのでしょうか。

10日、全米で一斉に報じられた銃撃事件。殺害されたのは、トランプ氏に近いことで知られる保守系の政治活動家、チャーリー・カーク氏(31)です。

保守系の政治活動家 チャーリー・カーク氏
「ユタ州のみんな、たくさん集まってくれたね」

西部ユタ州の大学で政治イベントに登壇中、何者かにおよそ200メートル離れたキャンパス内の建物の屋上から狙撃されたとみられています。

当局は「単独犯による政治的暗殺」とし、犯人の行方を追っています。

これに、トランプ氏は即座に「悲しみと怒りで胸がいっぱいだ」と追悼のコメントを発表し、政府施設などで半旗を掲げるよう命じました。

アメリカを騒然とさせたこの事件。カーク氏とはどんな人物だったのでしょうか。

カーク氏は18歳で保守系団体「ターニングポイント・USA」を設立。学生に保守的な思想を広める活動の傍ら、テレビやラジオに出演する「保守の論客」として活躍しました。

SNSのフォロワーも550万人を超えるなど、若年層を中心に強力な支持基盤を持っていました。

保守系の政治活動家 チャーリー・カーク氏
「トランプ氏に大統領になってほしいんだ」

去年の大統領選挙ではトランプ氏を支援。若者票の取り込みや資金集めで大きく貢献しています。

アメリカ政治に詳しい明海大学の小谷哲男教授は。

明海大学 小谷哲男 教授
「アメリカを代表するインフルエンサーの1人といえます。激戦州の1つであるアリゾナ州でトランプ氏が勝てたのは、カーク氏が若い有権者に訴えたから」

また、政策面では厳格な移民政策を訴えたほか、人工妊娠中絶や銃の規制に反対し、リベラル派からは反発を受けていました。

保守系の政治活動家 チャーリー・カーク氏
「違法な滞在者はアメリカから追いだす。以上!特赦はない!」

小谷教授は来年、中間選挙があると指摘したうえで、こう話します。

明海大学 小谷哲男 教授
「そもそも集会を減らしていくという方向になるのか。米国の選挙のやり方、政治活動のやり方に影響を与えるかもしれない」

事件の背景には、政治的な分断があるとの見方もあり、アメリカに衝撃が広がっています。