旧ソ連の構成国だったアゼルバイジャンとアルメニアの首脳がアメリカのトランプ大統領の仲介で和平に向けた共同宣言に署名しました。

アメリカのトランプ大統領は8日、ホワイトハウスでアゼルバイジャンのアリエフ大統領とアルメニアのパシニャン首相と会談し、両国の首脳は和平に向けた共同宣言に署名しました。

共同宣言にはアルメニアの南部を通り、アゼルバイジャンの本土と飛び地のナヒチェワンを結ぶ輸送回廊を設けることが盛り込まれていて、「国際的な平和と繁栄のトランプルート」と名付けるとしています。

旧ソ連の構成国だったアゼルバイジャンと隣国のアルメニアは係争地ナゴルノカラバフをめぐって30年以上、対立してきましたが、トランプ氏は「戦闘は永久になくなる」と強調しました。

今回の共同宣言は、旧ソ連の構成国がロシアとの距離を置き、アメリカとの関係構築へ明確な意思表示をした形です。

さらに旧ソ連の構成国である隣国のジョージアではEU=ヨーロッパ連合加盟をめぐり、現政権と市民との間で衝突が起きていて、この地域の欧米の影響力にロシアが警戒を強めることは必至です。

一方、アリエフ氏とパシニャン氏はトランプ氏をノーベル平和賞に推薦する考えを示しました。

トランプ氏はノーベル平和賞の受賞に強い意欲を見せていて、先月下旬のタイとカンボジアの停戦合意をはじめ、各地の紛争を自らの仲介で和平に導いたとアピールしています。