タイのプンタン首相代行が28日午後にマレーシアの首都クアラルンプールでカンボジアのフン・マネット首相と会談し、4日間にわたって続いている国境地帯での衝突を巡り和平協議を行うと、タイ政府が発表した。

発表によると、東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国であるマレーシアのアンワル首相が協議を仲介し、現地時間午後3時に開始される予定。会談では「地域における和平へのアプローチ」が協議されるが、領土に関する交渉は行われないという。

これに先立ち、トランプ米大統領は26日、タイ・カンボジア両国の首脳と個別に電話で協議し、国境地帯で起きた武力衝突を停止するよう促したと述べた。

トランプ氏は「われわれは偶然にも現在、両国と貿易協議を行っているが、戦闘中であるならどちらの国とのいかなる取引も望まない。両国にそう伝えた」と、トゥルース・ソーシャルに投稿した。

トランプ氏はマネット首相、プンタン首相代行と協議し、両首脳ともに「即時停戦」への支持を表明したと明らかにした。

しかし、地元メディアによると、27日には依然として国境地帯の各地で激しい砲撃が確認されたという。

カンボジア側、タイとの国境付近の様子(7月26日)(動画)

マネット首相は、トランプ氏の停戦要請を歓迎するとし、タイ側との調整に向け、カンボジアの外相がルビオ米国務長官と協議すると述べた。

一方、プンタン首相代行は声明で、タイとして停戦に原則同意するが、カンボジアとの協議および同国からの「誠実な意図」の証明が必要だと主張。タイのサンヤンポン外相がルビオ氏と協議した後に二国間協議が行われるかもしれないとしていた。

今回の衝突ではこれまでに30人余りが死亡し、両国合わせて15万人超の市民が避難を余儀なくされている。タイ軍は27日未明、カンボジア軍が民家を含む複数の地域に向けて攻撃を仕掛けたと主張。一方、カンボジアのクメール・タイムズによると、タイ軍は夜通しカンボジア側の複数地点に砲撃を続けたという。

トランプ氏はこの週末、英スコットランドに滞在。27日には欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長と貿易協議を行う予定となっている。

原題:Trump Calls Thai, Cambodian Leaders in Bid to End Conflict (2)、Thai, Cambodia Clashes Continue as Trump Threatens No Trade Deal、Thai-Cambodia Ceasefire Talks May Be Held Soon: Phumtham、Thai, Cambodian Officials to Meet Monday for Ceasefire Talks、Thailand, Cambodia Leaders to Meet Monday for Talks on Conflict(抜粋)

(情報を追加して更新します)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.