(ブルームバーグ):イングランド銀行(英中央銀行)が実施した200億ポンド(約3兆9500億円)規模の社債購入プログラムは、企業の借り入れコスト低下や社債発行の拡大につながらなかった。中銀の調査で明らかになった。
英中銀のスタッフがまとめた調査報告によれば、量的緩和(QE)で買い入れの対象となった社債の利回りは対象外の債券と比べ40-60ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低くなったが、企業の借り入れや投資拡大を後押しする効果は確認できなかった。
「社債発行や借り入れコストに効果は波及せず、企業は得られた資金を実物投資の拡大でなく、自社株買いや銀行借り入れの圧縮に充てた」と報告は分析した。
英中銀は、2016年に国民投票で欧州連合(EU)離脱が選択された後、景気下支えを目的に社債買い入れ開始を決定した。「英国経済への重要な貢献」が認められた企業の債券が対象で、外国企業も含まれていた。
しかし、QE終了までの社債買い入れ額は200億ポンドと、英国債の8750億ポンドを大きく下回る。中銀はこれまでに社債を全て手放し、英国債は年1000億ポンドのペースで保有を縮小している。
原題:BOE Corporate Bond Buying Failed to Aid Firms, Staff Paper Finds(抜粋)
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