野村ホールディングス(HD)は25日、前日開催された定時株主総会で奥田健太郎社長の取締役再任の際の賛成率が82.5%だったことが分かった。昨年の89.7%から7.2ポイント低下し、2020年の社長就任以降で最も低くなった。

野村HDが25日に関東財務局に提出した臨時報告書で明らかになった。奥田社長の賛成率は選任された全取締役の中で最低となった。永井浩二会長は84.4%と前年の79.3%から5.1ポイント上昇したが、奥田社長に次いで低かった。

米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は、元社員による国債先物の相場操縦事件や強盗殺人未遂事件など一連の不祥事に対する責任を踏まえ、奥田社長と永井会長の再任に反対を推奨していた。

野村HDは前期(25年3月期)の連結純利益が前の期比2.1倍の3407億円と19年ぶりに過去最高を更新した。しかし不祥事が相次ぐなどガバナンス(企業統治)の不備が露呈し、株主が経営トップに厳しい評価を突き付ける結果となった。

野村HDの広報担当者によると、株主総会では株主から強盗殺人未遂事件について経営責任に関する質問があったという。前期の有価証券報告書によると、好調な業績を反映して奥田社長は歴代最高の12億790万円の報酬を得た。

 
--取材協力:鈴木偉知郎.

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