(ブルームバーグ):米グーグルが基本ソフト「アンドロイド」の市場支配力を乱用しているとして欧州連合(EU)が過去最高となる41億ユーロ(約6800億円)の制裁金を科したのは正当な決定だと、EUの最高裁判所に当たるEU司法裁判所の法務官が見解を示した。
法務官はEU司法裁が判決を下すにあたり、独立した立場から「意見」を提出する。ココット法務官は意見書の中で、グーグルの主張の法的論拠は乏しく、上訴が認められるべきではないと論じた。
ココット氏は「アンドロイドのエコシステムにおける複数の市場でグーグルは支配的地位にあり、ユーザーが確実にグーグル検索を利用するようにできるネットワーク効果によって、グーグルは恩恵を受けている」と主張。「その結果、グーグルはサービス改善に役立てられるデータへのアクセスを得ていた」と続けた。
法務官の意見に法的拘束力はないが、EU司法裁は最終判決への参考とすることが多い。判決は法務官の意見提出から数カ月後に下されるのが一般的だ。
グーグルのアンドロイドを巡る訴訟は、欧州委員会で競争政策を担当したベステアー元委員が巨大テクノロジー企業の力を抑制するために取り組んだ4大案件の一つだった。EUはグーグルに対し、この件で当初43億ユーロの制裁金を科し、下級審のEU一般裁判所は制裁金の額をやや引き下げた。
トランプ米大統領はEUの制裁金に反発し、米企業に対する関税だと非難している。
原題:Google Suffers Blow in Fight Over EU’s €4.1 Billion Android Fine(抜粋)
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