5日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=142円台後半で推移。弱い経済指標を受けて米国の利下げ観測が強まっていることを背景にドルを売る動きが継続する一方、一部買い戻しも入り、もみ合っている。

SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は「ドルを買い戻して上値を試す動きが出ているが、限定的だ」と指摘。142円台では輸入企業のドル買いも入るため、142円を下抜けるには「もう一段の材料が必要」との見方を示した。

オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクターは、ドルが143円を上抜けていくのは難しいとの認識だ。ただ、一見底堅く見える142円は「チャートポイントでも何でもなく、抜けると損切りの売りを伴い、するすると走り出すかもしれない」と述べた。

 

三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役は、日本の30年債入札に対する注目度が高く、不調に終わればリスク回避ムードが強まり、一段と円買い・ドル売りが進むと予想している。

米国では5月の民間雇用者数が市場予想を大きく下回り、2年ぶりの低い伸びにとどまったほか、非製造業部門の活動が約1年ぶりに縮小圏に沈んだ。米金利先物市場が織り込む年内の利下げ回数は2.3回に拡大している。4日の海外市場でブルームバーグ・ドルスポット指数は前日比0.4%下落、米10年債利回りは10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い4.36%となった。

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