インドは8日夜、複数の軍事施設を標的にしたパキスタンによるドローン(無人機)およびミサイル攻撃を「無力化した」と発表した。両国間の敵対行為が激化している。

インド国防省は8日、X(旧ツイッター)への投稿で、パキスタン国境付近に位置する北部のジャム、パタンコート、ウダムプルの軍事基地が標的になったと明かした。「脅威は動的および非動的手段を用いて迅速に無力化された」とし、死傷者は出ていないという。

パキスタン政府は攻撃を否定し、「政治的な動機」に基づく主張だと反論。ソーシャルメディア上ではミサイル攻撃とされる映像が複数、未確認のまま投稿されている。与党・インド人民党(BJP)の幹部、バリンダル・ジート・シン氏は電話取材に対し、「空に閃光(せんこう)」が見え、その後に市内が停電したと語った。

両国の敵対行為はこれで2日連続となり、両国間の紛争がさらに激しくなるとの懸念が強まっている。インドとパキスタンは、互いに領有権を主張しながらも一部しか実効支配していないカシミール地方をめぐり、これまで幾度となく戦争を繰り返してきた。

パキスタンの株式市場は8日に急落し、一時取引が停止された。一方で、インドの通貨ルピーはこの3年間で最大の下落幅を記録した。

原題:India Says It Thwarts Pakistan Drones, Missiles as Tensions Soar(抜粋)

--取材協力:Swati Gupta、Faseeh Mangi、Saket Sundria.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.