大和証券グループ本社が28日に発表した2025年1ー3月期(第4四半期)の連結決算によると、海外でのトレーディング収益が減少したことや一部投資先で減損損失を計上したことで、純利益は前年同期比24%減の300億円だった。

グローバルマーケットにおいて、海外での債券関連のトレーディング収益が減収となった。トランプ米大統領が1月に就任して以降、不安定な米国の金利環境が収益に悪影響を与えた。

吉田光太郎最高財務責任者(CFO)は会見で「米国で一時的に金利のボラティリティーが高く、ポジションコントロールが難しい局面だった」と説明した。トランプ米大統領の関税政策によって「マーケットの先行きは不透明」との認識も示した。

オルタナティブ(代替)アセマネ分野では、一部投資先の再評価により減損損失を計上した。

同期の純利益はブルームバーグがまとめた事前のアナリスト5人による予想平均とほぼ同水準の結果となった。発行済み株式総数の3.53%、500億円を上限とした自社株買いの実施も発表した。

決算を受けた午後の取引では大和証Gの株価は上昇幅を拡大し、一時前週末比4.2%高の983円を付けた。岩井コスモ証券投資調査部の有沢正一氏は「自社株買いを好感した」と指摘した上で、1-3月期の業績については「悪化したマーケットの状況がそのまま反映された」と述べた。

通期ベースでの全体の純利益は前の期比27%増の1544億円と過去2番目に高い水準を記録した。顧客からの預かり資産残高に応じて得る収益の比率を高めた。

吉田CFOは「市場環境に左右されにくいビジネスモデルへの転換が着実に進展した」と述べた。また、政策保有株式の解消に伴う業界再編の動きは変わらないとの見通しを示した。

 

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