ベトナムの電気自動車(EV)メーカー、ビンファスト・オートは、北米や欧州ではなくアジア市場への拡大を進める方針だ。創業者のファム・ニャット・ブオン氏が述べた。

ファム・ニャット・ブオン氏

ブオン氏は親会社ビングループがハノイで開催した株主総会で、現在の物流コストは高額だとして、北米や欧州での販売を強化する計画はないと説明。代わりにインドやインドネシア、フィリピン、ベトナムに注力していくと話した。

同社は今年6月30日にインド工場、10月にインドネシア工場を稼働させる予定だという。これに対し、米ノースカロライナ州の工場の稼働開始時期は2028年に3年延期されていた。

ブオン氏によると、ビンファストは今年、ベトナム国内で20万台余りを納車する予定。25年にはベトナム市場での損益分岐点に近づくと見込んでいる。

ブオン氏はベトナムの資産家で、ビンファストの最高経営責任者(CEO)も務めている。

ビンファストは22年後半に米国向けの車両を初めて出荷して以来、多額の資金流出が続いている。

先月末に発表されたビングループの財務報告書によると、ブオン氏は23年から24年にかけて個人資産から約27兆2570億ドン(約1430億円)を同社に投入。昨年のブルームバーグテレビジョンのインタビューでは「資金が尽きるまで」支援し続けると述べていた。

一方、ビングループは昨年11月、ビンファストに最大13億8000万ドルを融資すると発表している。

ビンファストのEV「VF7」

原題:VinFast to Open India and Indonesia EV Plants in Shift to Asia(抜粋)

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