ローマ・カトリック教会の最高指導者である教皇は「コンクラーベ」と呼ばれる秘密の選挙で選ばれる。教皇の最高顧問である100人以上の枢機卿(すうききょう)が、バチカンのシスティーナ礼拝堂に集まり、次期教皇が決まるまで投票を繰り返す。

選出までにかかる期間は数日から数週間、あるいは数年に及ぶこともある。コンクラーベ中は外部との連絡が一切断たれる。

教皇が死去、あるいは退位した場合、まず枢機卿団が15日間の喪に服し、その後コンクラーベの準備を始める。

次期教皇選出前にサンピエトロ大聖堂で執り行われたミサに参加する枢機卿ら(2013年3月12日)

起源

「コンクラーベ(conclave)」はラテン語の「cum(共に)」と「clavis(鍵)」に由来し、「鍵をかけて閉じ込められた状態」を意味する。この慣習は13世紀にまでさかのぼる。

1268年に教皇クレメンス4世が死去した後、イタリアのビテルボで行われたコンクラーベは1271年まで続き、史上最長となった。

1878年以降、コンクラーベの会場は恒常的にシスティーナ礼拝堂と定められ、参加者はバチカン内のサンタマルタ舎に滞在。電子機器などの使用は禁止され、毎日礼拝堂へと向かう。

手続き

教皇の死去または退位後、教会の運営は枢機卿団に委ねられる。15日間の喪が明けた後、次期教皇選出の準備に入る。

枢機卿団は、全世界から選ばれた司教やバチカン高官で構成される。各枢機卿の任命は教皇によるものであり、枢機卿団全体の思想や地域的バランスに影響を与える。

教会法では選出に参加できるのは80歳未満の枢機卿に限られ、定員は120人までとされる。ただし、2024年12月に教皇フランシスコが新たに21人の枢機卿を任命し、総数は130人を超えた。

コンクラーベ中は1日に4回の投票が行われ、投票参加者の3分の2以上の支持を得た者が新教皇に選ばれる。基本的に、コンクラーベに参加している枢機卿の中から選ばれる。

決定の瞬間

各投票結果はその場で読み上げられ、記録される。当選者がいなければ、投票用紙は礼拝堂脇の炉で燃やされ、化学薬品によって黒い煙が上がる。最終的に人選が決まると白煙が上がり、全世界に新教皇の誕生を告げる。

この厳格な秘密保持の伝統は、13世紀に教皇が欧州の政治的要衝だった時代に、当時の列強による干渉や買収を防ぐために導入された。現代においても、選挙に関する情報の漏えいは不正な影響とみなされる可能性がある。

信徒たちはサンピエトロ広場に集まり、煙の色を見守り、新たな霊的指導者を待ち望む。

最終候補者が選ばれると、枢機卿団の長が「選出を受け入れるか」と問い、その者が承諾すれば、新教皇は教皇名を選び、白い法衣に着替えてサンピエトロ大聖堂のバルコニーに姿を現し、群衆と全世界に祝福を与える。

原題:How Popes Are Chosen - Process, Ritual and Symbolism: QuickTake(抜粋)

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