(ブルームバーグ):シンガポールの民間住宅販売は2月に3カ月ぶりの高水準に達した。郊外住宅を求める地元住民や、短期間で利益を得ようとする一部の買い手がけん引した。
都市再開発庁(URA)が17日に発表したデータによると、デベロッパーが先月販売した民間住宅は1575戸。
シンガポールでは、金利の低下や短期転売でもうけようとする一部の買い手により、マンション販売が回復している。バークレイズやモルガン・スタンレー、シティグループなどのアナリストは、購入熱が続けば政府が市場の沈静化を図る措置を導入する可能性があると指摘している。

特に郊外の大衆向け住宅に買い手が殺到している。2月に最も好調だった2つの開発物件は、いずれも地元の人々が多く住む公営住宅団地の近くに位置していた。東部のパークタウンレジデンスは、発売と同時に1000戸余り(全戸の87%)を販売した。
不動産会社オレンジティー・グループによると、2月には少なくとも200万シンガポールドル(約2億2500万円)で、過去最高の603戸の郊外新築住宅が販売された。チーフ・リサーチャーのクリスティン・サン氏は、「さらに多くの住宅が販売開始されるため、新築住宅販売は今後も強い勢いが続くと予想される」と指摘した。
中古住宅価格も上昇しており、年内に実施される総選挙を前に、住居費は有権者の間で大きな懸念事項となっている。
当局はここ数年、大半の外国人を対象に住宅購入の加算印紙税(ABSD)の税率を60%に引き上げたほか、民間の住宅用地供給を強化するなど、市場の沈静化を図る措置を既に講じている。
原題:Singapore Home Sales Hit Three-Month High as Boom Persists (1)(抜粋)
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