暗号資産(仮想通貨)ビットコインに積極投資する米ストラテジー(旧マイクロストラテジー)の株価が、ピーク時のほぼ半値に下落した。トランプ米大統領の返り咲きが当初は仮想通貨関連の投資に追い風となったが、景気への逆風が警戒され投資家はこうした賭けから撤退した。

ストラテジーの株価は10日、前日比17%安の239.27ドル。昨年11月に付けた終値ベースの上場来高値473.83ドルから49.5%下げている。

ビットコインの熱烈な支持者であるストラテジー共同創業者マイケル・セイラー氏が同社をある種の暗号資産持ち株会社に変える中、仮想通貨にエクスポージャーを持ちたい投資家がストラテジー株に殺到していた。同社はビットコイン購入資金を確保するため、資金借り入れや株式発行で今後数年間に420億ドル(約6兆1800億円)を調達する計画だ。

ストラテジーの株価は昨秋、ビットコインより速いペースで上昇した。トランプ氏がビットコイン戦略備蓄を導入し、ビットコインが購入されるとの期待感が要因だった。だがビットコインはここ数週間、上昇分の大半を失い、ストラテジーの株価もはるかに急ピッチで下げた。

 

トランプ政権が先週、計画中のビットコイン備蓄は連邦政府が既に所有するビットコインで構成され、追加購入は「予算中立的な戦略」のみ許可されると明らかにして以来、市場のムードは特に悪くなった。

インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「暗号資産取引には個別の材料と、全体的なリスクをテーマにしたような取引があり、いずれもビットコインにはさほど有利でない」と指摘。ビットコインの代理資産のようなストラテジーも「同様の問題に苦しむ」ことになると述べた。

原題:Strategy Stock Erases Nearly Half Its Value as Crypto Slumps (1)(抜粋)

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